五味佳奈子先生へのインタビュー

五味佳奈子先生へのインタビュー

先生について

Qマイコククッキングをご覧のみなさんに自己紹介をお願いします。
Aマイコククッキングをご覧のみなさん、はじめまして!私は現在、小5の長男、小3の長女、夫の4人暮らしです。自宅で料理教室を行いながら、出張料理やケータリングなども行っています。「食」を手軽に楽しみながら、健康的な生活をサポートできるよう、麹や酒粕、ヨーグルトなどの発酵食品を使った料理を多く取り入れています。
Qいつごろから食に興味を持ちましたか?またその理由、背景をお聞かください
A小学校入学ぐらいからだと思います。実家の隣で祖母が手打ち蕎麦と日本料理の店を営んでおり、小さい頃から蕎麦作りの工程をじっと見ていました。かつお節を削ったり、炒った銀杏の殻を剥いたり、空豆を鞘から外したり、そんなことが小さい頃の遊びで、日々の生活の中に食が密接に織り込まれていました。
Qどうやって料理の先生になりましたか。
A大学時代は、祖母の店を手伝い、宴会メニューを考えて作っていました。OL時代に、地元の公民館で料理教室を始めることになり、結婚するまでの4年間続けました。結婚後、以前働いていた会社の関係で、イギリスのサンドイッチチェーン店「プレタ・マンジェ」で商品開発をすることになりました。妊娠を機に退職、その後、自宅で外食店の商品開発をフリーランスで始めました。一人目が6か月の頃、同じ月例の子供を持つママ友の依頼を受けて、自宅で料理教室を再開、現在に至ります。

雑穀について

Q雑穀を取り入れ始めたのはいつ頃で、そのきっかけは何ですか?
A15年ぐらい前だと思います。珍しいレシピを真似したり、輸入食材店や旅行先の海外で新しい食材を見つけると試したりしました。イタリアのスペルト小麦をスープに使ったりしました。その後、キヌアやアマランサスなど、栄養価も気になって使うようになりました。産後は国産の安全な雑穀に注目するようになりました。
Q雑穀を食材として仕事や日々の食生活にどう活用していますか?
A仕事では、雑穀の事を知っていただけるよう、料理教室で色々な使い方を提案したり、出張料理ではみなさんに高い栄養価の雑穀の事をお知らせしています。日々の食事では、栄養面での補助効果に期待していますので、主食やおかずなど、出来るだけ毎日取り入れるようにしています。特に、息子が野球の時に持っていくのはおにぎりだけなので、少ない量でも必要な栄養素が摂れるよう、必ず雑穀ごはんでおにぎりを作るようにしています。
cookimg01
Qお気に入り、使いやすい雑穀は何ですか? その調理法、活用法のコツなどあれば教えてください。
Aお気に入りの雑穀は、「いなきび」です。色がきれいでご飯に混ぜても見栄えが良く、甘みもあって美味しいですよね。この前、息子のお弁当ののり巻きは、いなきびご飯で作りました。「はとむぎ」も気に入っています。食感の面白さと見た目の存在感がありますから。ちなみに、無類の蕎麦好きである息子のお気に入りは「そばの実」です(笑)。私は雑穀を普段使いしているので、常に2~3種類の茹でた雑穀が冷蔵庫にストックされている状態です。茹で雑穀があれば、炒めものや汁物、ハンバーグなどにもさっと混ぜることが出来るので、手軽です。何に加えても料理の邪魔にならないのが雑穀の魅力ですよね。その上、栄養価が格段にアップするので本当に有り難い食材です。炒めものなど、雑穀がパラついて食べにくい場合は、片栗粉でとろみをつけて全体的にまとめるようにすると、細かい雑穀でも具材に絡んでもれなく食べることができますよ。
海苔巻き
Qお気に入りのレシピはありますか。
A以前HPに掲載された「重ね煮」は、おすすめです。下茹で不要で作ることが出来ますし、重ね煮自体をストックできるので、時間がある時に冷蔵庫の残り野菜と雑穀で重ね煮をたっぷり作って、冷蔵庫と冷凍庫の2か所にストックしておきます。和洋中エスニック、どんなジャンルにもアレンジ出来ますし、あっという間に食事が出来上がりますし、なんと言っても栄養たっぷりヘルシーです!もう一つ、「究極の雑穀」で作る甘酒。お米だけの甘酒の栄養価も見逃せませんが、さらに上をいく甘酒が雑穀を混ぜると簡単にできます。私は甘酒としてそのまま毎日食べつつ、、野菜の和え物にプラスしたり、べったら漬けを作ったり料理にも使っています。砂糖替わりに調味料として使うこともお勧めです。
はと麦と野菜の重ね煮

はと麦と野菜の重ね煮

食べる雑穀甘麹

食べる雑穀甘麹

Qこれから雑穀使ってやってみたい料理があれば教えてください
A「体質改善ブレンド」を使ったかき揚げ、子供のおやつになるもの(具体的にはまだ内緒!(^^)!)、など。それから、雑穀の高い栄養価に着目すると、離乳食や介護食に摂りいれる事も考えています。というのも、幼児や高齢者は、たくさんの量を食べることが出来ません。だけど、必要な栄養素はしっかり摂りたい対象です。雑穀を食事に上手く取り入れる事で、少量でもきちんと栄養を摂ることができると思っているので、ぜひ考えてみたい分野です。

活動実績

Q普段はどういったお仕事をされていますか?
A料理教室、出張料理、ケータリング、まだ少しですが、サイトへのレシピ提供をしています。
料理風景
Qこれまでどういう活動をしてきましたか? その中で特に思い出に残っている仕事は何ですか?
A代理店時代に携わった大手外食チェーン店への商品開発の提案は、全国展開で店舗数が非常に多く、必要な設備なども含めてメニューの導入まで色々とハードルがあり、難しいものでしたがやりがいがありました。サンドイッチチェーン店での商品開発は、日本で店舗展開を始めたばかりでしたので、ゼロから作る楽しさを感じました。また合成添加物を使わない、というポリシーがありましたので、苦労する面がありましたが私の意向に合致していて、色々と勉強になりました。
Qこれからどういう方向に進むことを目指していますか?
A料理教室で「食の知識」と「食の楽しさ」を身近な方へお伝えする一方、広くその思いを伝えられるよう企業と組んで、レシピ提案や商品開発、さらに「食の楽しさ・大切さ」を実感してもらえるようなイベントなども行っていきたいです。
インタビュー写真
五味佳奈子先生
五味佳奈子先生
レシピはこちら
手打ちそばと日本料理を提供する祖母元で幼い頃から『食』と密接な生活を送る。祖母の店の宴会メニュー考案、フードスタイリストのアシスタントを経て、ファストフード店のメニュー提案、サンドイッチチェーン店の商品開発に携わる。 現在は自宅で料理教室『めぐみも。キッチン』を主宰。「心と身体は食で作られる」という思いを軸に、現在も食に対するアプローチを継続中。 麹や酒粕など日本の伝統的な発酵食品や調味料を、日本食以外にも広く、日常的に活用できるようレシピを考案・提案し、食べることで身体のメンテナンスを図る。海外に日本食を紹介するサイトのレシピ考案や、地域のものづくりスペース『Chika-ba』で料理提供を行っている。